
ナンピンはMT4のEAでもよく使われる手法ではありますが、賛否両論ある手法です。ナンピンの特徴は買いコストをどんどん下げていくところにあります。
たとえば1ドル=120円のときにドル/円があがると予想し、1万通貨購入したとします。しかし予想に反し1ドル=118円になったとします。このときに追加で1万通貨購入すれば、平均購入価格は119円となります。
(120円×1万通貨+118円×1万通貨)÷2万通貨=119円
ドル/円が119円にまで戻ると損失はゼロになります。このようにナンピンのメリットは、損失が出るか利益が出るかのポイントを下げることができるという点です。最初の1ドル=120円で購入した段階では、損益のポイントは120円ですので、ドル/円が下がってしまったらレートが戻るまで利益は出ません。しかしながらレートが下がった時点で追加購入し、損益ポイントを下げると先程の例のように、120円まで戻らなくとも119円を超えた時点で利益を出すことができます。
ただしナンピンは複数のポジションを同時に保有することが多くなり、レートが予想と反対の方向に動くと通貨購入量がどんどん膨らみます。裁量トレードのようにあらかじめ購入するポジションの量を決めておくと問題ありませんが、MT4のEAではポジション数を決めることはできません。予期せぬ方向に長期間動いてしまうとEAは大きな含み損を抱え続けることとなります。
ナンピンは「トレンドラインを抜けたら購入する」というルールが大切です。しかしMT4のEAではこのルールをプログラミング化することができず、「レートが不利な方向に動いたら購入する」などといったロジックしか組み込めません。目視での判断が重要になってくるため、ナンピンはMT4のEAトレードには不向きなのです。